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ろくた「おー、珍しいお客だぞー、おい、尚隆って、こら起きろ!」
ぎょー「先だってはお世話になりました」
との 「あー、泰の字か……。どこでも勝手に座ってくれ……
   (寝起き半目)」
ぎょー「かように突然の訪問、無礼は幾重にも承知致して、」
ろくた「皆まで言うなって。泰麒がらみだろー」
との 「それしかないだろうな」
ろくた「今度はなんだろーな、やっぱアレだな、落ち着いてみると
    なつかれ過ぎて困るってやつー?」
との 「ふーむ。おまえにもそんな時期があったものだな」
ろくた「へーおじいちゃん、覚えてんの〜?」
との 「忘れられんな、こーんなにチビで」
ろくた「……悪かったな! 見かけは成長してねーよ!」
との 「見かけだけか?」
ろくた「あーやだやだ! 五百年もこのおっさんの顔見てるなんて有り得なーい」
との 「ほう。大した口の利きようだな。アレがこうなるものか」
ろくた「なんだよ」
との 「年寄りの昔話だ」
ろくた「気になるじゃーん! 言えってば!」
との 「斡由の乱の後に奏に行ったろう、あの時赤海近くの村で、」
ろくた「うわー! なんで覚えてるんだー!」
との 「おまえもよく覚えてるようだな」
ろくた「忘れたいいいいっ!」
との 「仕方ないほどのアレな話だからな。ははははは(さわやかに)」
ろくた「みんな発情期が悪いんだー! どうしようもなかったんだー!」
との 「終わった事を気に病むな」
ろくた「あんたが言い出したんだろーがっ」
との 「主をおっさん呼ばわりする麒麟には相応の仕置きだな」
ろくた「ちくしょー、あんたこそアレはどうなんだよ!」
との 「なんだ、言え」
ろくた「ホントー?」
との 「……アレかっ!」
ろくた「白雉五十四年の、」
との 「ああ、ソレはどーでもいー」
ろくた「ひっ、酷っ」
との 「そもそもソレはおまえが五十三年に」
ろくた「うわあーあーあーあー! 墓穴!?」
との 「まあ、ああいう事も一興だ」
ろくた「一興、一興……(涙)」
ぎょー「……失礼しました」
ろくた「あ、あんたいたんだっけ。もう帰っちゃうのか?」
ぎょー「……ご教授ありがとうございました……(そそくさと)」
ろくた「なんだったんだろーな」
との 「碁の話をしておったで、何を勘違いしたものか」
ろくた「……碁?」
との 「他に何があるというんだ?」
ろくた「……碁の方が印象的……か……(失道寸前)」
との 「おーい、誰か黄医を呼べー(にやり)」





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